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TOP > ニャンドゥティとは
ニャンドゥティは”刺繍のように”布に刺し、”織物のように”模様を織り、最後は布からキリトリ仕上げる一連の工程が珍しい手芸です。
ニャンドゥティは南米パラグアイの伝統工芸。これまでに母から娘へ、手から手へ受け継がれてきました。
人づてに伝承されてきたことから、同じモチーフでも人により針の運びや、モチーフの呼び方が異なるという自由さが特徴です。
日本からみるとちょうど地球の反対側。大自然が広がる美しい国。
テラ・ロッサと呼ばれる赤土の大地とどこまでも続く大豆畑、地平線まで見渡せる青空のコントラストが大変美しい国です。
パラグアイの広大な自然の中で人々は、目に映る動物・植物・生活道具などをレースのモチーフとして作り上げていきました。
モチーフにユニークな固有名詞(白アリの巣・魚のしっぽ・牛の足あとなど)がつけられているのも特徴の一つです。
ニャンドゥティは先住民族・グアラニー族の言葉で“蜘蛛の巣”を意味します。
そのふるさとはアラビアです。カナリア諸島とスペインを経て、17世紀~18世紀の間にパラグアイに持ち込まれました。
スペイン各地 に伝わる「太陽」を意味するソル・レース、カナリア諸島のテネリフェ・レースがパラグアイ・レースまたはニャンドゥティと呼ばれるようになりました。
パラグアイでは、この繊細なレースに個々のレース職人の流儀が取り入れられ、土地の動植物や生活道具などが デザインに組み込まれました。
もともとはヨーロッパで生まれたニードルポイントレースに影響を受けており、起源はパラグアイではないかもしれません。ですが、パラグアイ人はさまざまな新しいステッチをあしらうことによって、このレースを一段と美しいものにしました。
スペインレースが白もしくは生成りの糸が使われているのに対し、パラグアイでは赤、青、黄色、ピンクなど極彩色の木綿糸、縫い糸が使われているのが特色です。
ニャンドゥティは日本で人気の高い手芸です。
Ñanduti Academy keranaのレッスンも9割の埋まり具合。
募集前に締め切ることもしばしば。
しかし、日本人気とは対象的に、パラグアイでは若者がニャンドゥティに興味を示さず、作る人が年々減っています。
それには経済的な理由が関係していました。
パラグアイは1人あたりのGDPが約5,000ドル(日本は約40,000ドル:2019年)と、
中南米諸国の中でも貧しい国。
パラグアイの友人はこう言います。
「働かなきゃ生きていけない。
だって、ニャンドゥティはお金にならないから。」
「洗濯や掃除も全て手作業。
とてものんびり編んでる時間なんてないの。」
パラグアイではニャンドゥティが非常に安値で取引されており、
普通に働いた方が多い収入を得られるのです。
そうやって、作り手から若い人達が消えていってます。
「このままだといつかニャンドゥティがなくなってしまう。。」
パラグアイではそう感じている人も少なくありません。
ニャンドゥティの認知度が高まれば、
パラグアイに行きニャンドゥティを購入する人がもっと増え、
現地の職人さんの生活向上や継続のプラスに繋がるはずです。
Ñanduti Academy keranaの生徒さんの中にはパラグアイに興味をもち、
実際現地へ行かれたり、パラグアイの方が作られたニャンドゥティを購入する方もいて、
少しずつ現地の方へ還元が出来ていますが、まだまだわずかです。
もっと還元するには、さらに多くの人にニャンドゥティを知ってもらう必要があります。
いろんな方に知っていただき、“ニャンドゥティにとって幸せな状態”をこの先もずっと創り続けていきたいのです。
そのためにはわたし個人の力では微力です。
このアカデミーを通じ、想いに賛同してくださる方と力を合わせて、
パラグアイのニャンドゥティも応援していきたいという想いがあります。